「礼儀作法」と聞いてあなたはどんなイメージを持ちますか?面倒くさいし、結局「かたち」だけなのでは?と思う人も多いかもしれません。ましてやお茶の出し方に礼儀作法なんて、茶道の場ならともかくとして、日常生活ではそんな堅苦しいことはしたくない、と考えるかもしれません。
しかし、もう一度礼儀作法がなんのためにあるか、考えてみてください。
教科書通りにいえば、人間関係を円滑にし、他人に不快感を与えないためにあるのが礼儀作法なのです。
つまりお茶を出すときも同じなのです。大切なのは他人に不快感を与えない、ということ。そのために、お茶を出す時の一連の動きが礼儀作法としてあるのです。では具体的にどのようなお茶の出し方が礼儀作法にかなったやり方なのでしょうか?
お茶は必ず茶托にのせて出します。運んでいるときに茶托にお茶がこぼれないよう、お盆の上には茶托とお茶は別々に置きましょう。お茶はお客様に出す大切なものですから、お盆は必ず両手で持ちます。胸の高さにして、左右どちらかに少しずらして運びます。左右に少しずらすのは、大切なお客様のお茶に自分の息がかからないという気配りの意味があります。ノックをして応接室に入ったら一礼し、お盆をサイドテーブルか、なければテーブルの端に置きます。そこで茶托とお茶をセットし、「失礼します」と声をかけながら、来客の上座の方から順に、両手でお茶を出します。お盆を置く場所がないときには、お盆を持ったまま片手で出してもかまいません。
「接客」といってもさまざまな場面や状況が考えられます。取引先の方が来社したときの応対も「接客」ですし、デパートや飲食店へ来店したお客様への応対も「接客」です。しかしどちらもビジネスマナーとして非常に大切なことです。接客の仕方によって、相手の会社や店舗の印象が大きく変わっていきますし、その後の商談にも影響していきます。
接客のマナーは決して難しいものではありません。大切なのは「相手をもてなす」ということで、どちらの接客にしても忘れてはいけないのが笑顔です。
接客マナーの基本は笑顔、ですが、実際に接客としての仕事で一番多いのは、やはりお茶出し、ではないでしょうか?
「たかがお茶出し」と軽く考えるのではなく、お客様に対するもてなしの心を込めて、正しいマナーでお茶が出せるよう心がけることが大切です。一服のおいしいお茶が雰囲気を和らげ、ビジネスにおいて大きなプラスに働くことだってあるのです。お茶には、のどの渇きを癒すほかに、リラックス効果やリフレッシュ効果もあるのです。会社によっては、接客マナーに関するマニュアルなどを用意しているところもあるかもしれませんが、堅苦しく考える必要はないのです。接客のマナーで基本となるのは「相手を思いやる気持ち」。例えば暑い夏なら冷たい飲み物をすすめたり、汗をかいているお客様には一緒におしぼりを出しても良いでしょう。お茶を一気に飲み干すほど喉が渇いている様子なら、すぐに新しいお茶を用意するか、急須を置いておく。そんなふうに相手を思いやり、気遣う気持ちがあれば、自然と心地よいもてなしができるはずです。
ビジネスマナーとしてはどのようなお茶の出し方をすればよいのでしょうか?
まず何人分のお茶を入れたらよいか、お客様の人数をあらかじめ聞いておきます。次にお茶の温度ですが、熱ければ良いというものではありません。80度くらいが適温と言われています。一度茶碗にお湯を入れ、そのお湯を急須に入れて、お茶を注ぐと80度くらいになります。
また茶碗にお茶を注ぐ分量は7分目くらいが適当でしょう。
次にお茶の運び方。茶碗と茶托はセットして運ぶと、途中でお茶が茶托にこぼれてしまうことが考えられます。ですので、茶碗と茶托はお盆の上に別々に載せて運び、応接室に入ってからセットします。
お茶はお客様に出す大切なものです。お盆は必ず両手で持ちましょう。胸の高さにして、左右どちらかに少しずらして運びます。左右に少しずらすのは、大切なお客様のお茶に自分の息がかからないという気配りの意味があります。また、その方が足元が見えて安全でもあります。応接室に入る時は、ノックをして、「失礼します」と言ってお辞儀をして入ります。入退室の挨拶はしっかり見られていますので、印象よく、キチンと挨拶をしましょう。
サイドテーブルにお盆を置き、そこで茶碗と茶托をセットします。このとき茶碗の向きを間違えないようにしましょう。茶碗と茶托の向きを合わせ、絵柄がお客様の方を向くようにお出しします。
お茶を出す順番ですが、お客様が最初です。社内の人は役職順に出します。お茶は両手で出すのが基本です。片手で出す時は、「片手で失礼します」と一言添えるようにしましょう。
茶を飲むときには、茶の持ち味を十分に引き出したいもの。
そのためには、美味しいお茶の入れ方を知らなくてはならない。美味しいお茶の入れ方のポイントは、「お湯の温度」にある。煎茶の場合、80度~90度、高級茶の場合は、70度程度の低温で入れると良いだろう。
ポットから急須にお湯を入れると熱すぎるため、まずは、人数分の湯飲みにお湯を8分目ほど入れて冷ます。
冷ましたお湯を、お茶の葉を入れた急須に戻し、1分~2分ほど待つ。このとき、早く煮出そうと思って急須を揺すると苦みが出るので気を付けて。
1~2分経ったら、茶の濃さと量が同じくらいになるように、人数分の湯飲みに少しずつ注いでいく。美味しいお茶の入れ方のコツを身につけて、茶の持ち味を堪能しよう。

基本的なお茶の出し方と同様、まずお盆に茶碗と茶托をそれぞれ別々に、またお茶菓子の器を乗せ、茶碗に息がかからないよう、胸の高さに持って運びます。